山色
さんしょく
名詞
標準
文例 · 用例
雲消えて皹も亦拭ひ去らる、山色何の瑠璃ぞ、只だ赭丹赭黄なる熔岩の、奇醜大塊を、至つて無器用に束ねて嶄立せるのみ、その肩を怒らし胸を張れるを見て、淑美なる女性的崇高を知らず。
— ――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察―― 『霧の不二、月の不二』 青空文庫
秋も末になった、白峰の山色を想っていると、N君から、馬上の旅客を描いた端書が来た。
— 小島烏水 『雪の白峰』 青空文庫
ただ忙しい彼には沢山色々のものを読む暇がないのであろう。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
寂漠たる山色月影の裡に浮んで恰も畫のやうに見えるのである。
— 國木田獨歩 『少年の悲哀』 青空文庫
寂漠たる山色月影のうちに浮かんで、あだかも絵のように見えるのである。
— 国木田独歩 『少年の悲哀』 青空文庫
水郷の早春黒髪三品山色連天葦の芽あをむ水ぎはに、黒髪梳くや子の母、うなじの白さ、つめたさ、遠山雪のはるけさ。
— 北原白秋 『第二海豹と雲』 青空文庫
それならなんぢのいまはと問はれたら、どうしよう、かの道元の谿聲山色はあまりにも幽遠である。
— 山村暮鳥 『雲』 青空文庫
山色夕陽時といふ、私は今日幸にして、落日をまともに浴びた由布岳を観たことは、ほんたうにうれしい。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫