弛い
たゆい
形容詞
標準
文例 · 用例
お納戸の絹セルに、ざっくり、山繭縮緬の縞の羽織を引掛けて、帯の弛い、無造作な居住居は、直ぐに立膝にもなり兼ねないよう。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
薩摩下駄の小倉の緒、太いしっかりしたおやゆびで、蝮を拵えねばならぬほど、弛いばかりか、歪んだのは、水に対して石の上に、これを台にしていたのであった。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
裏手の貧乏長屋で、力のない赤子の啼き声が聞えて、乳が乏しくて、脾弛いような嗄れた声である。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
徒歩の目弛いのに気を腐していたお島は、小野田の勧めで、自転車に乗る練習をはじめていた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
階段は弛い勾配をもって高く上へ懸かっている。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
不思議とどうにも体が弛い。
— 国枝史郎 『沙漠の古都』 青空文庫
三つ目の林を駈け抜けると弛い斜面が現われた。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
葉末は一呼吸呼吸を入れると弛い斜面を走り出した。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫