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逐電

ちくでん異読 ちくてん
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
1
標準
flight
文例 · 用例
気立ての優しい年若な甚三の嫁が、姑の苛責のために、身も細るばかり、思い煩うのを見兼ねて、ひそかに連れて、甚三が夜のうちに逐電したと云う噂さが聞え出して笛の音は一時、ばったりと絶えた。
岡本かの子 かやの生立 青空文庫
かたきはすぐに逐電したので、その弟からかたき討のねがいを差出したが、やはり許可されなかった。
岡本綺堂 かたき討雑感 青空文庫
またその折の流鏑馬に峰王といふ綺麗な童子も参加いたして、きりりと引きしぼつて、ひやうと射た矢が的をはづれて恥づかしのあまりただちにその場から逐電なし、たちまちもつて出家したとの事、これには御台所さまをはじめお傍の人たち一様に笑ひ崩れてしまひました。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
越後国三味庄の領家の雑掌が盗賊の為に殺害せられ、その盗賊は逐電して何者とも判明しなかつたので、左衛門尉さまは、とにかくその庄の地頭代を召取らせ詮議を加へる事に相成つたところが、その地頭代の親戚の者たちが不服を称へ、内々手をまはして尼御台さまに訴へ申し上げたので妙に気まづい事になつてしまひました。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
二日、癸卯、天晴、今度叛逆の張本泉小次郎親平、建橋に隠れ居るの由、其聞有るに依りて、工藤十郎を遣はして召さるる処、親平左右無く合戦を企て、工藤並びに郎従数輩を殺戮し、則ち逐電するの間、彼の前途を遮らんが為、鎌倉中騒動す、然れども、遂に以て其行方を知らずと云々。
太宰治 右大臣実朝 青空文庫
」「いざと云う時、貴女を棄てて逐電でもすりゃ不実でしょう。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
新手村の大晦日の夜と、それから城中での歌合せの夜の二度まで、自分を振り切るように逐電してしまった佐助が一途に恋しくて、思い余ったその挙句に、佐助たずねてのあてなき旅の明け暮れにも、はしたなく佐助ばりの口調が出るとは、思えば佐助も幸福な男である。
織田作之助 猿飛佐助 青空文庫
右は今出川住人富田無敵の訴出に依れば、盗賊の逐電致せし者にきっとまぎれなき由、依って高札を掲げる事如件」 とあり、何となく面映ゆく赤面していると、意外な囁きが耳に入った。
織田作之助 猿飛佐助 青空文庫
作例 · 標準
詐欺師は、発覚を恐れて逐電した。
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彼は借金を抱え、夜逃げ同然に逐電した。
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警察の捜査が迫り、犯人は逐電を試みた。
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