靫
ゆぎ異読 ゆき
名詞
標準
quiver (box-shaped and worn on the back)
文例 · 用例
野分ふうに風が出て肌寒の覚えられる日の夕方に、平生よりもいっそう故人がお思われになって、靫負の命婦という人を使いとしてお出しになった。
— 桐壺 『源氏物語』 青空文庫
加茂の大神を恨んだ右近丞は靫負になって、随身をつれた派手な蔵人になって来ていた。
— 澪標 『源氏物語』 青空文庫
良清も同じ靫負佐になってはなやかな赤袍の一人であった。
— 澪標 『源氏物語』 青空文庫
解官されて源氏について漂泊えた蔵人もまた旧の地位に復って、靫負尉になった上に今年は五位も得ていたが、この好青年官人が源氏の太刀を取りに戸口へ来た時に、御簾の中に明石のいるのを察して挨拶をした。
— 松風 『源氏物語』 青空文庫
こういうわけで、わたしは子供の時から「権八小紫」や、「おかる勘平」や、「関の扉」や、「靫猿」を知っていた。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
それから左手をさし伸べて、天の羽羽矢の靫を取つた。
— 芥川龍之介 『老いたる素戔嗚尊』 青空文庫
それと共に「柄有り、長さ一尺八寸」とありますから、謂はゞ靫猿の踊りに見ることの出来るやうな、又、どうかすれば普通の猿廻しも持つてをつた環鞭のやうなものなのです。
— 折口信夫 『神楽(その二)』 青空文庫
その他のものには家の形もあり、その屋根には、今日私共が伊勢大神宮の建築で見るような、ちぎやかつをぎを載せてゐるのもありますが、また劍や靫や巴といふようなものを模してあるのも發見されます。
— 濱田青陵 『博物館』 青空文庫
作例 · 標準
古戦場跡の資料館で、当時の武士が使っていた靫が展示されていた。
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彼は背中に靫を背負い、弓を構えて獲物を狙っていた。
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時代劇では、矢を素早く取り出すために靫が重要な役割を果たす。
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