隆線
りゅうせん
名詞
標準
文例 · 用例
博士は先ず靴箆を実験台の上に置いて、指紋の部分に黒色粉末を塗り、隆線を黒く染めてから、窓の紐を引いて厚い黒繻子のカーテンを閉め、部屋を暗室にすると、幻燈内の電燈を点火し、靴箆を器械に挿入して、ピントを合せた。
— 江戸川乱歩 『悪魔の紋章』 青空文庫
五分にも足らぬ拇指の指紋が、三尺四方程に拡大され、指紋の隆線の一本一本が黒い紐のように渦巻いている。
— 江戸川乱歩 『悪魔の紋章』 青空文庫
これはもう隆線を数えるまでもありませんよ。
— 江戸川乱歩 『悪魔の紋章』 青空文庫
これは一体……」「僕は今、その隆線の数も算えて見ましたが、例の殺人鬼の指紋と寸分違いません」「すると……」「すると、この指は犯人の手から斬り取られたのです。
— 江戸川乱歩 『悪魔の紋章』 青空文庫
厳密な意味の指紋ではなく、手の平全体の隆線模様による鑑定であるが、占師の見る手の筋だけではなく、五指の指紋をはじめ手の平全体の隆線模様による犯人鑑別が、中心テーマとなっている。
— 江戸川乱歩 『探偵小説の「謎」』 青空文庫
黒いといってもキツネ色の膚がなめらかで、がっしりとした肩と、盛り上がった腕の筋肉、豊かな胸毛、下腹部の筋肉の隆線がギリシャ彫刻のようにみごとであった。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫