送り届け
おくりとどけ
名詞
標準
文例 · 用例
そして船長を送り届けてサンパンの帰るまでは、眠ってもよいのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
この夕もまた美人をその家まで送り届けし後、杉の根の外に佇みて、例の如く鼻に杖をつきて休らいたり。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
するとお前その支那人を介抱して送り届けて帰りしなに、支那人の兵隊が押込むだらう。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
立つ前夜|密に例の手提革包を四谷の持主に送り届けた。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
金はあした受け取ることにして、辰蔵はともかくもその鷹を当兵衛の家へ送り届けた。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
二 自分の家の前まで無事に送り届けて貰って、文字春は初めてほんとうに自分の魂を取り戻したような心持になった。
— 津の国屋 『半七捕物帳』 青空文庫
今改めてかの女はかの女の中核へ規矩男の俤を連れ出してみようか――今やかの女のむす子を十分な成育へ送り届け、苦労も諸別もしつくしたかの女の母性は、むしろ和やかに手を差し延べてそれを迎え、かの女の夫の逸作の如く、「君も若いうちに苦労したのだ。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
新吉は此の装飾の下に雑沓の中でカテリイヌを探す自分のひと役を先ず頭に浮べたが次にリサがまたどういう工夫で今日の祭の街で自分に新らしい娘を送り届けるのか。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫