爪先
つまさき
名詞
標準
文例 · 用例
同じ思いが、仲間の顔色に読まれる、飯を炊くのに、未だ時間がある、思い切って天幕から一、二間歩き出した、岩を二ツ三ツ飛び越えて、次第に爪先が上る、無辺無限の単調の線が、どこへ繋がって、どこへ懸っているのか、解らない……やはりあの空線の一つを辿っている。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
それから尾根を伝わって、下り気味になる、ちょいちょい小さく尖った山稜は、大波の間に、さざ波をだぶだぶ打ち寄せたようで、爪先が上ったり下ったりする、石の皺には、黄花の石楠花が、ちらほら咲いている、この花の弁で承けた霧の雫を吸ったときは、甘酸っぱい香気で、胸が透いた。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
待ちに待った朝は来た、朝がいかなる方面から、いかに忍び足に寄って来て、一秒ずつ額を白くしたかは徹夜凝視しても解らない、夜と朝の筋目が判然と目立つほどなら、地球の緯度線が草鞋の爪先に引っかかるわけである、しかも争う可らざるは朝の神秘なり、一たび臨むとき、木偶には魂を、大理石には血を与る。
— 小島烏水 『奥常念岳の絶巓に立つ記』 青空文庫
知らぬ間に、爪先上りとなって、馬返しまで着くと思いがけなく村の男女が、四人ばかり籠をしょって、こっちを見ている。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
六合目――宝永の新火口壁(いわゆる宝永山)まで来ると、さすがに高嶺の冬だと思われる冷たさが手足の爪先まで沁みて来る。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
水夫見習いの安井|昇ってのが負傷したのは知ってますか、それが、今日は病院へやってもらいたいといってるんです」「それがどうしたんだ」と船長は頭のさきから、足の爪先まで、ストキの長さを目で測量した。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
けれども少し爪先き立ってお尻を軽く振って歩く、あの歩き方だけは、やめたほうがよい。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
これからも俳句の相談に乗ってくれと、まんざらお世辞だけでもないらしく真顔で頼んで、そうして意気揚々と、れいの爪先き立ってお尻を軽く振って歩く、あの、音楽的な、ちょんちょん歩きをして自分のベッドに引き上げて行き、僕はそれを見送り、どうにも、かなわない気持であった。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
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爪先(つまさき)とは、動物(特に人)の足の先端部の指がある部分、または足の指の先の部分のことである。英語のtoeからトーとも言う。一本一本の指に着目する場合には足指(あしゆび)という場合もある。
出典: 爪先 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0