持ち直し
もちなおし
名詞
標準
文例 · 用例
彼れは外部の記述が終ると、腦刀を持ち直して縱にづぶりと刃先きを入れた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
溜息をついて傘を持ち直し、暗い夜空を見上げたら、雪が百万の蛍のように乱れ狂って舞っていました。
— 太宰治 『雪の夜の話』 青空文庫
したり顏にさう言つて、ミルクの茶碗を持ち直した。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
」 そう言ってパレットを持ち直し、「満洲にも医学校はある。
— 太宰治 『花火』 青空文庫
佐伯は、ナイフを持ち直した。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
私は、かれの歿したる直後に、この数行の文章に接し、はっと凝視し、再読、三読、さらに持ち直して見つめたのだが、どうにも眼が曇って、ついには、歔欷の波うねり、一字をも読む能わず、四つに折り畳んで、ふところへ、仕舞い込んだものであるが、内心、塩でもまれて焼き焦がされる思いであった。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
あの、あわれな、卑屈な男も、こうして段々考えて行くに連れて、少しずつ人間の位置を持ち直して来た様子であります。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
」 彼は、一時に心臓の血が逆立ちして、思わず銃を持ち直した。
— 黒島傳治 『前哨』 青空文庫