窕子
窕子
名詞
標準
文例 · 用例
そこには娘達が多かつたが、中でも三番目の窕子とは仲が好くつて、主從の區別はあつても、しん身に劣らぬほどの心を互ひに取りかはした。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
後には窕子のためにつけられた侍女のやうになつて了つた。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
まだ來たばかりで、朝に夕に故郷の母のことを思つて打しをれてゐると、そこにその時分丁度十三四で、年のわりに聰明で歌を詠むことが上手で、多い同胞の中ではことに器量の好い窕子がそつと寄つて來て、『お前、泣いてゐるの……。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
それから窕子のやさしい心持がかの女の體中に染みわたつて、たよる人はこの君ばかりといふ風に益々しん身になつて行つたことを覺えてゐる。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
窕子と呉葉とはその時分よくこんな話をした。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
……それにしてもかの女が十三から十五ぐらゐまでの間に、窕子の美しくなつたことは!
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
呉葉は主從ではあつたけれども、しん身の同胞か何かのやうに思つてゐる窕子がさういふ風に日増に美しくなつて行くのを不思議な心持で眺めた。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
ある時には今までとは全く違つた窕子になつて了つたやうな氣がして、靜かに筆を手に几帳のかげに坐つてゐるのを近寄り難くじつと見守つてゐたことなどもあつた。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫