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泥鰌髭

どじょうひげ
名詞
1
標準
文例 · 用例
」こう、そのとき先方から馬車を飛ばせて来た、二尺あまりもある泥鰌髭をのばした伝令兵が、喚きたてた。
または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 死せる魂 青空文庫
彼は、その浅黒い顔から玉をなして流れ、あまつさへ長い泥鰌髭のさきからぽたぽた滴り落ちる汗を、ものうげな手つきで拭き拭き歩をはこんでゐるが、その髭は、幾千年このかた美醜の別ちなくあらゆる人の子をば招かれもせぬのに訪づれる、あの容赦なき調髪師の手で髪白粉をふりかけられてゐた。
VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI ディカーニカ近郷夜話 前篇 青空文庫
粗羅紗の長上衣を著て長い捩れた泥鰌髭をはやした楽師が弓を一触するや、一同の者が否応なしに、一斉に調子をそろへて踊り出す、その光景を眺めては、なんとも形容しがたい一種不可解な感に打たれざるを得なかつた。
VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI ディカーニカ近郷夜話 前篇 青空文庫
その時以来、この村長は一層こざかしく勿体さうに首を前屈みにして、長く下へ垂れさがつてねぢれた泥鰌髭を撫でながら、鷹のやうな眼つきで額越しにあたりを見ることを覚えこんだ。
VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI ディカーニカ近郷夜話 前篇 青空文庫
泥鰌髭が笑つてゐるやうなたあいもない顔である。
坂口安吾 波子 青空文庫