茹で栗
ゆでぐり
名詞
標準
文例 · 用例
みち子を考える時、形式だけは十二分に整っていて、中身は実が入らずじまいになった娘、柚木はみなし茹で栗の水っぽくぺちゃぺちゃな中身を聯想して苦笑したが、この頃みち子が自分に憎みのようなものや、反感を持ちながら、妙に粘って来る態度が心にとまった。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
みち子を考える時、形式だけは十二分に整っていて、中味は実が入らず仕舞いになった娘、柚木はみなし茹で栗の水っぽくぺちゃぺちゃな中身を聯想して苦笑したが、この頃みち子が自分に憎みのようなものや、反感を持ちながら、妙に粘って来る態度が心にとまった。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
家では白パンより、茹で栗を良く食べ、パパは半ズボンを大事に使っているし、ママは冬服と夏服をやっと一着ずつ持っているし、妹達は自分で縫えるものは自分で作っている。
— Le Pere Goriot 『ゴリオ爺さん』 青空文庫
帰り路で、ある店に立ってゆで栗を買うと実に廉い。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
天皇は吉野を出て宇治の奥、田原里で、里人の情の※き栗・ゆで栗を傍山の岨に埋めて、わが身栄ゆるものならば、此栗生え出る様に、とうけひ給うたら、栗が生え出した。
— 折口信夫 『愛護若』 青空文庫
この邊りは道路に變化がないので、客の退屈するのを見越し、路傍に箱を置いたり竹をたてゝ、それに平な※を吊したりして、ゆで栗、いり椎、柿、蜜柑などを盛つた皿を六つ七つ竝べて番人なしの臨時の小店がそここゝに開かれてあつた。
— 土井八枝 『隨筆 藪柑子』 青空文庫