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板敷

いたじき
名詞
1
標準
文例 · 用例
風呂場の脱衣場みたいな、がらんと広い板敷の部屋に通された。
太宰治 正義と微笑 青空文庫
土間へはいると、左手は馬小屋で、右手は居間と台所兼用の板敷の部屋で大きい炉なんかあって、まあ、圭吾の家もだいたいあれ式なのです。
太宰治 青空文庫
よく拭き込んだ板敷の床は凸凹だらけの土間に変り、鏡の前に洋酒の並んだラック塗りの飾り棚の代りには縁台のようなものが並んで、そこには正札のついた果物の箱や籠や缶詰の類が雑然と並んでいた。
寺田寅彦 雑記(2) 青空文庫
聞き定めて、「おや、」と云って、一段|下流の板敷へ下りると、お源と云う女中が、今しがたここから駈け出して、玄関の来客を取次いだ草履が一ツ。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
湯は、だだっ広い、薄暗い台所の板敷を抜けて、土間へ出て、庇間を一跨ぎ、据風呂をこの空地から焚くので、雨の降る日は難儀そうな。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
これはおのずから雫して、下の板敷の濡れたのに、目の加減で、向うから影が映したものであろう。
泉鏡花 眉かくしの霊 青空文庫
客人は、堂へ行かれて、柱板敷へひらひらと大きくさす月の影、海の果には入日の雲が焼残って、ちらちら真紅に、黄昏過ぎの渾沌とした、水も山も唯一面の大池の中に、その軒端洩る夕日の影と、消え残る夕焼の雲の片と、紅蓮白蓮の咲乱れたような眺望をなさったそうな。
泉鏡花 春昼 青空文庫
夫人|長煙管を取って、払く音に、図書板敷にて一度|留まり、直ちに階子の口にて、燈を下に、壇に隠る。
泉鏡花 天守物語 青空文庫