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覆盆子

ふくぼんし
名詞
1
標準
文例 · 用例
道のほとりに咲く草花、あからむ覆盆子などさすがになつかしくて根岸庵のあるじがり端書をやる。
伊藤左千夫 滝見の旅 青空文庫
朝顔の苗、覆盆子の苗、花も実もある中に、呼声の仰々しきが二ツありけり、曰く牡丹咲の蛇の目菊、曰くシヽデンキウモン也。
泉鏡花 草あやめ 青空文庫
はや午さがり、片岡の畑に子ら来て、早熟の和蘭覆盆子紅や摘む歌もうらうら。
北原白秋 第二邪宗門 青空文庫
いみじう美しき稚児の覆盆子など喰ひたる。
中島敦 鏡花氏の文章 青空文庫
はつきりとは覺えて居らぬが、なんでもその物語の中程に、素足の兵隊上りであつたか、雲を見て覆盆子汁に乳を振り掛けたやうな色合だといつたのを聞いて、急に食氣がさしてひもじさがいつそまた堪へ難くなつたといふ一節があつた。
薄田泣菫 旋風 青空文庫
――覆盆子といへば、今が丁度出盛りの、ついそこらの草の間にもこつそりと稔つてゐまいものでもあるまいと、私は鵜の目鷹の目で草を掻き分けて見たが、一粒も見當らなかつた。
薄田泣菫 旋風 青空文庫
をとめごころ黄金覆盆子は葉がくれに眼うるみて泣きぬれぬ。
薄田泣菫 泣菫詩抄 青空文庫
朝|踐む風のささやきに、覆盆子のまみは耀きぬ。
薄田泣菫 泣菫詩抄 青空文庫