雁字
がんじ
名詞
標準
文例 · 用例
(八月二十五日)百六○雑誌『ホトトギス』第五巻第十号に載せてある蕪村句集講義の中 探題雁字一行の雁や端山に月を印すといふ句の解釈は当を得ない。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
これは誰もこの雁字といふ題に気がつかなかつたためで、余も輪講の当時書物を見ずに傍聴して居たのでこの題を聞き遁してしまふた。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
雁字といふのは雁の群れて列をなして居る処を文字に喩へたのであつて原と支那で言ひ出しそれが日本の文学にも伝はつて和歌にて雁といふ題にはしばしばこの字の喩を詠みこんであるのを見る。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
赤い丸い月が出て居る有様を朱肉で丸印が捺してあるものとして、一行の雁字と共に一幅を成して居るかのやうにしやれて見たのであらう。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
その後には雁字搦めに縛られた男が、大勢の刑事に守られて立っていた。
— 海野十三 『省線電車の射撃手』 青空文庫
ウーム、この虫けら奴」 捕虜 清家博士は妻君のために雁字がらめに縛りあげられ、ベッドの金具に結びつけられた。
— 海野十三 『空気男』 青空文庫
捕縄の掛け方に就いても、雁字搦み、亀甲繋ぎ、松葉締め、轆轤巻、高手、小手、片手上げ、逆結び、有らゆる掛け方に通じていた。
— 江見水蔭 『死剣と生縄』 青空文庫
恰も本縄の雁字搦に掛ったように感じられた。
— 江見水蔭 『死剣と生縄』 青空文庫