緑灯
りょくとう
名詞
標準
文例 · 用例
今から二分三分前までは確に閃々と空中に飛んで居つた難破信號の火光は何時の間にか消え失せて、其處には海面より數十|尺高く白色球燈輝き、船の右舷左舷と覺ぼしき處に緑燈、紅燈の光がぼんやりと見ゆるのみである。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
前檣に白燈、右舷に緑燈、左舷に紅燈は言ふ迄もない、安全航行の信號※『はゝあ、或程、星火榴彈に一次一發の火箭、救助を求むる難破船の信號がよく見えます、貴下の眼は仲々結構な眼です。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
第七回 印度洋の海賊水雷驅逐艦か巡洋艦か――昔の海賊と今の海賊――海底潜水器――探海電燈――白馬の如き立浪――海底淺き處――大衝突 私が一心に見詰めて居る間に、右舷に緑燈、左舷に紅燈、甲板より二十|尺以上高き前檣に閃々たる白色燈を掲げたる一隻の船は、印度洋の闇黒を縫ふてだん/″\と接近して來た。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
見る/\内に怪の船の白色檣燈は我が弦月丸の檣燈と並行になつた――早や、彼方の右舷の緑燈は我が左舷の紅燈を尻眼にかけて、一|米突――二|米突――三|米突――端艇ならば少くも半艇身以上我が船を乘越した。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
梁肉を貪り喰ひ、酒緑燈紅の間に狂呼して、千金一擲、大醉淋漓せずんば已まざるが如きは、豪快といへば豪快に似たれども、實は監獄署より放免せられたる卑漢が、渇し切つたる娑婆の風味に遇ひたるが如く、十二分に歡をすだけ、其の状寧ろ憫む可く悲しむ可くして、寒酸の氣こそ餘り有れ、重厚のところは更に無いのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
やがて前方の路上には遠方信号機の緑燈が現れ、続いて無数の妙に白けた燈光が、蒼白い線路の上にギラギラと反射し始める。
— 大阪圭吉 『気狂い機関車』 青空文庫