恥漢
はじかん
名詞
標準
文例 · 用例
私は私の過去に犯した大罪を、しらじらしく、小説に組みたてて行くほどの、まだそれほどの破廉恥漢ではない。
— 太宰治 『断崖の錯覚』 青空文庫
今度失敗すれば五へんめであり、かたがた相手はあばたの敬四郎という破廉恥漢なんだから、いかなむっつり右門でも、もう少し警戒したほうがよさそうにと思われたのに、少しおちついていすぎたものか、敬四郎の魔の手がすでに伸びていたあとでした。
— 足のある幽霊 『右門捕物帖』 青空文庫
神……人……共に憎む破廉恥漢とは汝等の事だ。
— 夢野久作 『戦場』 青空文庫
作歌作曲は決して盜人、僞善者、乃至一切破廉恥漢の行爲と同一視さるべきではない。
— 石川啄木 『雲は天才である』 青空文庫
作歌作曲は決して盗人、偽善者、乃至一切破廉恥漢の行為と同一視さるべきではない。
— 石川啄木 『雲は天才である』 青空文庫
そんなことを言った後では、いよいよ自信たっぷりになって、得意満面の笑みをたたえながら、『そりゃ、なるほど地方によっては、実に変梃な、滑稽きわまる人間もあるもので、それに、破廉恥漢だってざらにあろうさ!
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
三年前に平和な町から、私の病床から、あの可憐な少女を奪い去った男は、世にも憎むべき破廉恥漢だったのでした。
— 平林初之輔 『悪魔の聖壇』 青空文庫
* 我我の悲劇は年少の為、或は訓練の足りない為、まだ良心を捉え得ぬ前に、破廉恥漢の非難を受けることである。
— 芥川龍之介 『侏儒の言葉』 青空文庫