女滝
めだき
名詞
標準
smaller waterfall (of the two)
文例 · 用例
」二十五「ただ一筋でも巌を越して男滝に縋りつこうとする形、それでも中を隔てられて末までは雫も通わぬので、揉まれ、揺られて具さに辛苦を嘗めるという風情、この方は姿も窶れ容も細って、流るる音さえ別様に、泣くか、怨むかとも思われるが、あわれにも優しい女滝じゃ。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
男滝の方はうらはらで、石を砕き、地を貫く勢、堂々たる有様じゃ、これが二つ件の巌に当って左右に分れて二筋となって落ちるのが身に浸みて、女滝の心を砕く姿は、男の膝に取ついて美女が泣いて身を震わすようで、岸に居てさえ体がわななく、肉が跳る。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
ましてこの水上は、昨日孤家の婦人と水を浴びた処と思うと、気のせいかその女滝の中に絵のようなかの婦人の姿が歴々、と浮いて出ると巻込まれて、沈んだと思うとまた浮いて、千筋に乱るる水とともにその膚が粉に砕けて、花片が散込むような。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
私は耐らず真逆に滝の中へ飛込んで、女滝をしかと抱いたとまで思った。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
この滝、王子なるも何処なるも女滝男滝にわかれて、殊に当節は葭簀の囲いさえ結われたが、江戸ッ児は男も女も噪ぐのが面白く、葭簀を境いにキャッキャッとの騒ぎ、街衢をはなれたこの小|仙寰には遠慮も会釈もあったものではない。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
女滝男滝一 初夏に向ってゆく旅だ。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
やさしいほうが女滝とすぐわかる。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
あの馬籠峠の――女滝と男滝の滝津瀬には、まだあの時の、自分の泣き声と、武蔵の怒った声が、どうどうと、淙々と咽び合って、そのまま二人の喰い違った気持を百年も千年も、この心が解けあわぬうちは、怨みに残していることであろう。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
作例 · 標準
夫婦滝と呼ばれる滝には、男滝と女滝がある。
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遊歩道を進むと、ひっそりと佇む美しい女滝が見えてきた。
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女滝は、水量こそ少ないものの、優雅な流れが特徴的だ。
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