蚊帳の外
かやのそと
表現名詞
標準
being excluded
文例 · 用例
円かなる夢百里の外に飛んで眼覚むれば有明の絹燈|蚊帳の外に朧に、時計を見れば早や五時なり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
M署の高等係中村は、もう、蚊帳の外に腰を下して、扇子をバタバタ初めていた。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
船虫が蚊帳の外の床でざわざわ騒ぐ。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
その蒼ざめた腮の下に黒くなめらかに光る鱗のようなものが見えたので、蚊帳の外から気味悪そうに覗いていた源次は、思わず顔をあとへ引いた。
— お化け師匠 『半七捕物帳』 青空文庫
富沢は蚊帳の外にここの主人が寝ながらじっと台所の方へ耳をすましているのを半分|夢のように見た。
— 宮沢賢治 『泉ある家』 青空文庫
浦子は辛うじて蚊帳の外に、障子の紙に描かれた、胸白き浴衣の色、腰の浅葱も黒髪も、夢ならぬその我が姿を、歴然と見たのである。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
ひたと冷い汗になつて、眼を※き、殺されるのであらうと思ひながら、すかして蚊帳の外を見たが、墓原をさまよつて、亂橋から由井ヶ濱をうろついて死にさうになつて歸つて來た自分の姿は、立つて、蚊帳に縋つては居なかつた。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
行燈は蚊帳の外の、宵から置いた処にちゃんとあって、薄ぼんやり紙が白けたのは、もう雨戸の外が明方であったんです。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
作例 · 標準
専門的な議論が飛び交う会議の中で、知識のない私は完全に蚊帳の外に置かれていた。
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「ごめん、今の話、何のこと? 僕だけ蚊帳の外みたいで、全然話が見えないんだけど」
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周囲が流行のファッションや最新のゲームで盛り上がっているのを、一人だけ蚊帳の外で眺めるのは少し寂しい。
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政治の世界では、密室での妥協によって、声の小さい少数派が蚊帳の外に追いやられることがしばしばある。
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