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鉄砂

てっしゃ
名詞
1
標準
文例 · 用例
鉄砂の破片が、顔一面に、そばかすのように填りこんだ者は爆弾戦にやられたのだ。
黒島傳治 氷河 青空文庫
古戦場を弔うような感想を生じてその一軒に入り、中食を求め数多き一間に入って食いながら床間を見ると、鉄砂で黒く塗りいる。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
この砂は何地の砂かと聞いたが、耄叟や婦女子ばかりで何だか分らず、こんな地へ遠国より古くかかる物を持ち来るはずなければ、必ずこの地に多く鉄砂を産する事と考えた。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
その後勝浦から海伝いに浜の宮まで川口を横ぎり歩いて海藻を調べたところ、下駄の跡が潮に淘るる鉄砂で黒く二の字を画く処あり。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
浜の宮には鉄砂の中へ稲を種えたよう見えた田もあった。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
因ってかつて見た妓家どもの壁は純らこの辺の鉄砂で塗られたものと断じた。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
予は鉱物学を廃して三十七年になり、件の海辺へは十四年も往かぬから右のほかに一辞を添ゆる事がならぬが、『和歌山県誌』など近く成った物に、一切紀州に鉄砂ある由を記さない。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
鉄は金銀と異なり、わずかな分量では利得にならぬと聞いたが、頃日米国禁鉄となってから、一粒の鉄砂も麁末にならぬような話を承る、ふとした事から多大の国益が拡がった例多ければ、妓家の黒壁が邦家の慶事を啓かぬにも限らぬと存じ、本誌紙面を藉りてその筋の注意を惹き置く。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫