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漸層

ぜんそう
名詞
1
標準
文例 · 用例
さて、かれは、これらの物象の漸層の最下底に身を落してゐる。
富永太郎 俯瞰景 青空文庫
江戸に接近しては、歴史家の所謂桃山時代が、やはりさうなのであるが、ともかくも、さうした衒耀な時代が、とび/\に山をなして、民俗芸術興隆の中心となり、其が連結して、漸層的に発達して来てゐるのである。
「翁の発生」の終篇 能楽に於ける「わき」の意義 青空文庫
我々は此を見て、日本の芸能が、おなじ一つのことを説明するのに、いろ/\と異つた形であらはし、漸層的におなじことを幾つも重ねて来た事実を、よく感じることが出来たのであつた。
「翁の発生」の終篇 能楽に於ける「わき」の意義 青空文庫
ことに、著しく漸層的に深まつて行つたのは、歌舞妓芝居に於けるかぶき味であつた。
唱導的方面を中心として 国文学の発生(第四稿) 青空文庫
けれどもやつぱり、用心深い博士は、そこに、漸層の第何段かを、ちやんと構へて置かれたのに違ひありません。
折口信夫 芝居に出た名残星月夜 青空文庫
玉手御前は、腹に刺された刀を押へて、はじめて、何故俊徳丸に恋慕して、その様を人にみせびらかす様なことをしたか、何故俊徳をつけ廻す様なことをしたか、何故、自分の腹を人につき刺して貰ふ様にしむけたかを漸層的に説明して行く。
折口信夫 玉手御前の恋 青空文庫
東大寺を囲繞する若草山を坐つて眺めてゐると、大仏殿の庭は、あたかも段々のやうに漸層的に低くなつた最後の盆地のやうで、云はば若草山をとりいれた広大な円形劇場を形成してゐるのである。
龜井勝一郎 君臣相念 青空文庫
ひまつぶしや、退屈をまぎらす為ばかりではなく、そういう風に疑問が漸層的に高まって来ると、執拗にどこまでも検べて見たくなるのが人情でしょうね。
江戸川乱歩 モノグラム 青空文庫