旧劇
きゅうげき
名詞
標準
traditional Japanese theater (kabuki, noh, etc.)
文例 · 用例
その際に、もしかこれが旧劇だと、例えば河内山宗俊のごとく慌てて仰山らしく高頬のほくろを平手で隠したりするような甚だ拙劣な、友達なら注意してやりたいと思うような挙動不審を犯すのであるが、ここはさすがに新劇であるだけに、そういう気の利かない失策はしない。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
先日、私は近所の高砂館へ行って久し振りに活動を見て来たが、なんとかいう旧劇にちょっといい場面が一つありました。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
旧劇場附属の人員は此の際大方採用されて、その新百貨店の使用人となった。
— 岡本かの子 『バットクラス』 青空文庫
なかに旧劇場で案内係をして居た一人の娘の親が英人の娘として米人の使用人に変ることは英国の不節操であると同時に米国への屈従であると云って断然許さなかった。
— 岡本かの子 『バットクラス』 青空文庫
この村では毎年春秋の二期に素人芝居が行はれる習慣だつたが、永年の旧劇はもう飽きたから今年は西洋劇を上演しよう、が、もつとも吾々に手ツとり早く演れるものは何か?
— 牧野信一 『喜劇考』 青空文庫
旧劇の芝居を見たつて、作者の創作的燃焼力が、あうんの彼方に感ぜられるものでない限り凡ての観客の夢を潤さぬではないか。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫
旧劇にも、すぐれた作になると、『自然らしさ』がある。
— 田山録弥 『小説新論』 青空文庫
当り前の旧劇の役者が、怒る時は目を剥いたり、泣く時は大声で喚めいたり、笑う時には小屋を揺がせるような、高声を出す代りに、この役者は泣く時も笑う時も怒る時も質素で、心から泣いたり怒ったり笑うたりする有様が、普通の人が泣いたり笑うたりするのと少しも違わないんですよ。
— 菊池寛 『ある恋の話』 青空文庫
作例 · 標準
明治時代、新しく台頭してきた新劇や新派劇に対し、古くから伝わる歌舞伎や能などは「旧劇」と呼ばれて区別されていた。
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祖母は、派手な演出の現代演劇よりも、洗練された様式美と伝統的な型を重んじる旧劇を鑑賞する時間を何よりの楽しみにしていた。
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「旧劇の舞台って、あの独特の隈取りや衣装の色彩感覚が本当に華やかで、何度観ても圧倒されちゃうよね」
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その役者は、長年旧劇の世界で磨き上げた確かな技術をベースにしながらも、新しい演出を取り入れる柔軟さを持ち合わせていた。
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標準
period drama (film)
作例 · 標準
日本映画の黎明期、歌舞伎をベースにした時代劇は「旧劇」と呼ばれ、活弁士の語りに合わせて観客は手に汗握って見入ったものだ。
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初期の旧劇映画では、リアリズムよりも歌舞伎的な見得や立ち回りの美しさが重視され、スター俳優たちが銀幕を彩った。
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「フィルムセンターで昔の旧劇のリバイバル上映を観たんだけど、無声映画なのに役者の眼力がすごくて引き込まれたよ」
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現代の精巧なCGを使った映画もいいが、手作り感あふれる古い旧劇映画の特撮には、当時の作り手の情熱が凝縮されている気がする。
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