行き掛かり
いきがかり
名詞
標準
文例 · 用例
後に私の弟弟子が二人あっても、これは私にたよるばかり、奥は女の人たちばかり、どうしても私が以前からの行き掛かり上、全責任を負って立たなければならぬことになった。
— 東雲師没後の事など 『幕末維新懐古談』 青空文庫
これは行き掛かりの上の勢いから自然こういう風になったのであります。
— 彫工会の成り立ちについて 『幕末維新懐古談』 青空文庫
なまけてもいないに出す作がないというと、やはりなまけていたとお思いになるかも知れませんが、私は拠所ないことで人から頼まれたものをやっているのです」という話から、行き掛かり上、若井兼三郎氏の依嘱によって矮鶏を彫っていて既に二年越しにわたっていることを私は話し、怠けていないことの証拠を挙げました。
— 矮鶏の作が計らず展覧会に出品されたいきさつ 『幕末維新懐古談』 青空文庫
」 もうゆきがかりで仕方ないと私は思ってはっきり云いました。
— 宮沢賢治 『ポラーノの広場』 青空文庫
罪は弟を殺したのだそうだが、よしやその弟が悪いやつで、それをどんなゆきがかりになって殺したにせよ、人の情としていい心持ちはせぬはずである。
— 森鴎外 『高瀬舟』 青空文庫
只この場のゆきがかりで、こんなことになったのだと思い、そして、事実、彼女としては、今、彼を斬らしてしまうのは、あまりに勿体ないような気持もするのであろう。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
あれは、ゆきがかり上、若松屋惣七としてはああ出ざるを得なかったのだ。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
ただ私はゆきがかりで、そいつをご馳走にあずかろうと、心掛けたばかりでございますよ。
— 国枝史郎 『剣侠』 青空文庫