断的
だんてき
名詞
標準
文例 · 用例
それは一つはこの書物の書き方が甚だ粗略であって、かような、誰にも思い掛けない全く新奇な事実を伝えるのに不十分であり、また一方、余り独断的に見えるような所もあって、その本当の性質を理解することが困難だったからでありましょう。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
そうして「いき」のうちの「諦め」したがって「無関心」は、世智辛い、つれない浮世の洗練を経てすっきりと垢抜した心、現実に対する独断的な執着を離れた瀟洒として未練のない恬淡無碍の心である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
しかしながら、一切の肉を独断的に呪った基督教の影響の下に生立った西洋文化にあっては、尋常の交渉以外の性的関係は、早くも唯物主義と手を携えて地獄に落ちたのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
故に標題の示す如く、正に『詩の原理』であるけれども、普通に刊行されてる詩書の如く、単に韻律音譜の註であったり、名詩の解説的批判であったり、初学者の入門的手引であったり、或は独断的詩論の主張であったりするものとは、全然内容が異っている。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
特に内容からされたものは、一般に甚だしく独断的で、単に個人的な立場に於ける、個人的な詩を主張しているにすぎない。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
という問に対して、過去に人々が答えたすべてのものは、部分的な偏見に執した誤謬である、もしくは特殊の窓を通して見た、個人の独断的主張であるかであって、一般に普遍的に、どんな詩にもどの詩人にも、共通して真理である如き答解は、かつて全く無かったのである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
そしてこの点から、僕は独断的に思われたり、その点で非難や誤解を受けたりしたが、事情|止むを得ないことでもあった。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
こうした独断的否定はむしろ往々にしていわゆる斯学の権威と称せられまた自任する翰林院学者に多いのである。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫