蚊蜻蛉
かとんぼ
名詞
標準
文例 · 用例
毎年四五月になりますと、夥しい数の蚊蜻蛉が湧くであります。
— 佐々木邦 『ぐうたら道中記』 青空文庫
そうしてそれが他所には全く類のない蚊蜻蛉だそうであります」「蚊蜻蛉って何だね?
— 佐々木邦 『ぐうたら道中記』 青空文庫
何時も鼠とか薄い茶色の、而もスタイルの舊い古ぼけた外套を着てゐるのと、何樣な場合にも頭を垂れてゐるのと、少し腰を跼めて歩くのが、學士の風采の特徴で、學生間には「蚊とんぼ」といふ渾名が付けてある。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
こいつら素町人の分際で、歴々の御旗本衆に楯突かうとは、身のほど知らぬ蚊とんぼめ等。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
素町人の分際で、歴々の御旗本衆に楯突こうとは身のほど知らぬ蚊とんぼめ。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
競走自動車はまたなにか腹をたて、蚊とんぼのように痩せた製本芸術の手をグイグイひきながらあたしのそばまでやってくると、白のすごいジョオゼットがよごれるのもかまわず、乱暴に草の上へすわりこんだ。
— 久生十蘭 『だいこん』 青空文庫
ひょろ松は、蚊とんぼのようにひょろ長い上身をかがめて一礼すると、きびすをかえして一ツ橋のほうへいっさんに駈け出して行った。
— 都鳥 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
ちょっと類のない腑抜声だから、すぐその主がわかったか、奥から小走りに走り出して来たのは、北町奉行所与力筆頭、叔父森川庄兵衛の組下、神田の御用聞、蚊とんぼのひょろ松。
— 三人目 『顎十郎捕物帳』 青空文庫