雑人
ぞうにん
名詞
標準
lowly person
文例 · 用例
怠り無く偵察してゐると、丁度将門の雑人に支部子春丸といふものがあつて、常陸の石田の民家に恋中の女をもつて居るので、時になつて、命を落す者四十余人、可なり手痛き戦はしたが、敵地に踏込むほどの強い武者共が随分巧みに、うま/\近づいたにもかゝはらず、此の突騎襲撃も成功しなかつた。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
世の盛衰、時の転変、歎ずるに叶はぬ習とは知りながら、今の如くにして公家一統の天下ならば、諸国の地頭御家人は皆奴婢|雑人の如くにてあるべし」と、その当時武士の実状を述べて居る。
— 菊池寛 『四条畷の戦』 青空文庫
」 喧嘩の片われは、下様な雑人だと見えて、言葉つきにどことなく自ら卑下したところがあった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
」神様は二人の男が詩人だと聞いて、いくらか気持が更ったらしく、急に調子を荒らげて相手の雑人を叱りつけた。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
」 雑人の一人が、横合から冷かし気味にこんなことをいったものだ。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
」 それを聞くと、雑人方は、草の枯葉が共擦れするような、微かな気配を立ててひそめき出した。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
雑人どもの争擾を防ぐために、衛府の侍は申すにおよばず、源平の武士もことごとく河原をいましめと言い渡された。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
次に大筒が二挺と鑓を持つた雑人とが行く。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
作例 · 標準
彼は卑屈な態度で、自分を「ただの雑人です」と謙遜した。
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偉大な指導者の傍らには、黙々と仕事をする多くの雑人がいる。
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この物語は、雑人であっても、それぞれの人生を懸命に生きている姿を描いている。
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ウィキペディア
雑人(ぞうにん)とは、平安時代から鎌倉時代において使われた用語で、「身分が低い者」を意味する。用法としては一般庶民を指す場合、主家に隷属して雑事に従事・動産扱いで売買・譲渡の対象とされた賎民を指す場合の2種類ががある。雑人がいた末期である鎌倉時代に入ると、公家及び武士・侍・郎党身分を持たない全ての者(庶民・賎民)を一括して「雑人」もしくは凡下(ぼんげ)・甲乙人(こうおつにん)と称して区別するようになった。そして、後に問注所の下に雑人同士の訴訟のみを扱う雑人奉行という役職が設置された。
出典: 雑人 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0