谷風
たにかぜ
名詞
標準
valley wind
文例 · 用例
谷風がさやさやと、川楊の葉に衣擦れのような音をさせて通行する、雲はずんずん進行して、山の緑は明るくなったり、暗くなったりする。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
これと同じようなことが、山の頂きと谷との間にあって山谷風と名づけられています。
— 寺田寅彦 『茶わんの湯』 青空文庫
その當時の作に對し、増補した新作の割合は、『天王寺墓畔吟』に於て、三・六倍、『緑ヶ丘新唱』に於て、四・五倍、『世田ヶ谷風塵抄』に於て一・八倍、『砧村雜唱』に於て、〇・二倍となつてゐる。
— 北原白秋 『白南風』 青空文庫
その当時の作に対し、増補した新作の割合は、『天王寺墓畔吟』に於て、三・六倍、『緑ヶ丘新唱』に於て、四・五倍、『世田ヶ谷風塵抄』に於て一・八倍、『砧村雑唱』に於て、〇・二倍となつてゐる。
— 北原白秋 『白南風』 青空文庫
そこに車を止めて、琴をとって之をかき鳴らして歌う、「そよそよと吹く谷風により、陰りやがて雨降る、私はここに帰国の途に就き、遠く故郷を離れた野を行く、なぜ彼の青空は、その所を得られないのであるか、彼方此方と逍遥したが、用いられた所は無い。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
花の香ををしむのみかは谷風にころもかへうき木曾の山道。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
人の気配のさらに無い山路に尨大な孤独を噛みしめながら、谷風に送られて縹渺と喘ぐことを、凡太はむしろ好んでゐた。
— 坂口安吾 『黒谷村』 青空文庫
兵馬が山科に来て、まず草鞋をぬいだのは、同じく大谷風呂でありました。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫