暫し
しばし
副詞名詞-の形容詞頻度ランク #39523 · 青空 525 例
標準
for a short while
文例 · 用例
磯山に、暫し岩根のまつ程に、暫し岩根のまつ程に、誰が夜舟とは白波に、楫音ばかり鳴門の、浦靜かなる今宵かな、浦靜かなる今宵かな。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
汝、疑ひとともに見開く眼よ見開きたるまゝに暫しは動かぬ眼よ、あゝ、己の外をあまりに信ずる心よ、それよ思惑、汝 古く暗き空気よ、わが裡より去れよかし去れよかし!
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
「妾、朝からまっていたのです」 やがて暫しの後、彼女の後姿が、混合酒の触感を撒いて廊下から消えると、私は地下室の湯殿で未来を夢みる。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
余は通り過ぎて振り顧り、暫し停立んで居ると、突然間近なる一軒の障子が開いて一人の男がつと現はれた。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
妙な奴だと自分も見返して居ること暫し、彼は忽ち眼を砂の上に転じて、一歩一歩、静かに歩きだした。
— 国木田独歩 『運命論者』 青空文庫
泡立つ波、逆卷く潮、一時は狂瀾千尋の底に卷込まれたが、稍暫して再び海面に浮上つた時は黒暗々たる波上には六千四百|噸の弦月丸は影も形もなく、其處此處には救助を求むる聲たえ/″\に聽ゆるのみ、私は幸に浮標を失はで、日出雄少年をば右手にシカと抱いて居つた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
武士も驚いて、思はず刀に手を掛けたが、待て暫し、広い世の中には病気又は怪我の為に不思議な顔を有つ女が無いとも限らぬ、迂闊に手を下すのも短慮だと、少時づツと見てゐる中に、女は消ゆるが如くに行き過ぎて遠く残るは提灯の影ばかり。
— 岡本綺堂 『雨夜の怪談』 青空文庫
磯山に、暫し岩根のまつ程に、暫し岩根のまつ程に、誰が夜舟とは白波に、楫音ばかり鳴門の、浦静かなる今宵かな、浦静かなる今宵かな。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫