隆鼻
りゅうび
名詞
標準
文例 · 用例
隆鼻に引きしめられた端麗な前面には似もつかないいくらかの野卑な感じをうけて、私は思はず眼を逸らしました。
— 断片三種 『処女時代の追憶』 青空文庫
角の立つ様な隆鼻を中心にして、なかだかな、おとがいの張った男らしい顔の、怜悧相な額には、油もつけず幾日も梳らない為に、煤気を帯びた様な黒い、たっぷりした散髪が掩いかぶさって居る為に思いきって切れ長なま瞼の底に、濃情と憂愁とを交ぜ湛えた様な両眼の色がいやが上にも奥深く見えるのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
かつて彼女は隆鼻手術をうけたことがある。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
僅に、卵巣切開手術や隆鼻手術のような高級な医術に自発的に参加するのには、余程の医学的知識と勇気、英断を要するものだという持論が彼女を慰めた。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
渾名を鳶の鳥逕と言つたが、厚眉隆鼻ハイカラのクリスチヤンで、そのころ拂方町の教會を背負つて立つた色男で……お父さんの立派な藏書があつて、私たちはよく借りた。
— 泉鏡太郎 『春着』 青空文庫
自分で自分を向上させることの出来るものですから、無理に隆鼻術の施行や美容法研究をせずとも、「此に欠くるところも彼に増すこともあれば又以て自ら善くするに足る」道理で、然のみ苦にするには当りません。
— 幸田露伴 『運命は切り開くもの』 青空文庫
しかしあんなに高い鼻があったでしょう」「隆鼻術をされたのでございます。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
隆鼻術は、こんな方々のこんな心理状態が社会に鬱積して生み出した医道の副産物であります。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫