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文色

あいろ
名詞
1
標準
文例 · 用例
いつか夕闇が迫って、部屋の中は物の文色も分らないほど暗くなっているのを、二人とも気がつかなかったのである。
菊池寛 貞操問答 青空文庫
「あの、貴方、誰にも有仰らずにね、心配することは無いのですから、本当に有仰らずに、唯私が嗽をすると言つて、持つて来て下さいましよ」「はい、畏りました」 彼の階子を下り行くと斉く貴婦人は再び鏡を取りて、葉越の面影を望みしが、一目見るより漸含む涙に曇らされて、忽ち文色も分かずなりぬ。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
」 氷の如き宮が手を取り、犇と握りて、永く眠れる面を覗かんと為れば、涙急にして文色も分かず、推重りて、怜しやと身を悶えつつ少時泣いたり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
「誰か蔵の中にいるような気がする」 で、じっと隙かして見たが灯火のない宝蔵の内はいわゆる烏羽玉の闇であって、物の文色も解らない。
国枝史郎 神州纐纈城 青空文庫