杳として
ようとして
表現副詞
標準
utterly (unknown; esp. of someone's whereabouts)
文例 · 用例
杳として眺望すれば街路を這ひ行く蛆蟲ども生きたる食餌を暗鬱にせり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
妻は二兒を殘して家を去り、杳として行方を知らず。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
豊橋も後になり、鷲津より舞坂にかゝる頃よりは道ようやく海岸に近づきて浜名の湖窓外に青く、右には遠州洋杳として天に連なる。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
先生の側からいえば、僕は去ったが最後、杳として音沙汰なしというところであろう。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
賽児は如何しけん其後|踪跡杳として知るべからず。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
我も亦この一書によつて彼の名を記憶するに止まれども、彼の才あつて然も杳として天下に知られざるは心惜しき思せらる。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
吾人の霊性の、飄として捉へがたく、杳として目覩しがたきものは、其樹木の根の如し。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
斯うして、中学を終えると直ぐに東京へ出て了った私は、其の後、杳として彼の消息を聞かないのだ。
— 中島敦 『虎狩』 青空文庫
作例 · 標準
事故以来、彼の消息は杳として知れない。
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捜索したが、盗まれた宝石は杳として行方がわからなかった。
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長い年月が過ぎたが、失われた古代文明の遺跡は杳として発見されていない。
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