瘁
瘁
名詞
標準
文例 · 用例
ああはたして仁なりや、しかも一人の渠が残忍|苛酷にして、恕すべき老車夫を懲罰し、憐むべき母と子を厳責したりし尽瘁を、讃歎するもの無きはいかん。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
嘉享 盛遇を忻び、尽瘁純誠を※す。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
Aristoteles Platon は人生の幸福を、絶て自己の利害を顧みずに國家のために盡瘁する中に求めた。
— 森鴎外 『古い手帳から』 青空文庫
もしそれ、食足らず体|瘁るるをもって窮すとなさば、君子ももとより窮す。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
思ひに思ふのみにて別れて後の事は知らず、如何なる労をやさまでは積みけん、齢よりは面瘁して、異うも物々しき分別顔に老いにけるよ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
彼は三日の後には退院すべき手筈なりければ、今は全く癒えて務を執るをも妨げざれど、事の極めて不慮なると、急激なると、瑣小ならざるとに心惑のみせられて、病後の身を以てこれに当らんはいと苦かりけるを、尽瘁して万端を処理しつつ、ひたすら直道の帰京を待てり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
始終の憂に瘁れたる宮は決して美き色を減ぜざりしよ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
獄中に居る者の面じや」 別人と見るまでに彼の浅ましく瘁れたる面を矚りて、譲介は涙の落つるを覚えず。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫