幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
手に白刃を拔き持ちてかの女房を逐ひけ、大音に呼びけるやう。
IMPROVISATOREN 即興詩人 青空文庫
至という重臣の斡旋で、巫臣は刑の大夫として晋に仕えることになった。
中島敦 妖氛録 青空文庫
為に黒田勢三百余忽ち討たれて少しくくのを、忠之怒って、中白|上下に紺、下に組みの紋ある旗を進め励ます。
菊池寛 島原の乱 青空文庫
やがて彼は鉄鞭を曳鳴して大路を右に出でしが、二町ばかりも行きて、乾の方より狭き坂道の開きたる角に来にける途端に、風を帯びて馳下りたる俥は、生憎其方にの辺を一衝撞てたりければ、彼は含を打つて二間も彼方へ撥飛さるると斉く、大地に横面擦つて僵れたり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
七生までその願は聴かじとけたる満枝の、我の辛さを彼に移して、先の程より打ちも詬りもしたりけんを、猶慊らで我が前に責むるかと、貫一は怺へかねて顫ひゐたり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
さ、早く、貫一さん、後生です、さ、さ、さあ取つて下さい」 又激く捩合ふ含に、短刀は戞然と落ちて、貫一が前なる畳に突立つたり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
僕は二回も負け、こんどは木谷が相手をしようというのをけて、球の方は木谷と中年の男とに任したままぼんやり考えこんだ。
豊島与志雄 阿亀 青空文庫
余りに芳ばしい香を漂わせ、余りに凛乎たる気魄を示し、余りに清らかな色彩に成り、余りに妙味ある樹に咲くが故に、人間離れのした感じを以て人をけがちである。
豊島与志雄 梅花の気品 青空文庫