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染み通る

しみとおる
動詞
1
標準
文例 · 用例
中に挾まれたのは、弱々と、首の白い、髮の濃い、中年増と思ふ婦で、兩の肩がげつそり痩せて、襟に引合せた袖の影が――痩せた胸を雙の乳房まで染み通るか、と薄暗く、裾をかけて、帶の色と同じやうに――黒く映して、ぴた/\ぴた/\と草履穿か、地とすれ/\の褄を見た。
泉鏡太郎 三人の盲の話 青空文庫
見捨てられたこの地を守る、襲いかかるような、染み通るような恐怖に打ち勝った者は、六十年間で自分が初めてなのだろうか?
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 闇をさまようもの 青空文庫
それ故目前の争論を惹き起すまいとして耐忍の上にも耐忍をした此日の苦痛は心骨にしみ徹るのであつた。
平出修 計画 青空文庫
それ故目前の爭論を惹き起すまいとして耐忍の上にも耐忍をした此日の苦痛は、心骨にしみ徹るのであつた。
平出修 計畫 青空文庫
ちょっと見ると力がないようでも、それは大地にしみ徹る自在無礙なるものであった。
下村湖人 西行の眼 青空文庫
今夜もまた凍てるのであろう、風もないのに空気は冷えきって、足元から這上る寒気は骨までしみ徹るかと思われる。
山本周五郎 城中の霜 青空文庫
だが遂にアブばかりでなかった、石楠花の甘ずっぱい香気は私を包み、アブを包み、森に漂って、樹々の心髄までしみ透るかのように、私までがアブの眷属になったかのように。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
背中までしみ透るように澄んだ声だった。
織田作之助 秋深き 青空文庫
染み通る(しみとおる) — 幻辞.com