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黒蝶

くろちょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
時ならぬ黒蝶が宙をかすめた。
林不忘 つづれ烏羽玉 青空文庫
しかし二人の姿さえ瞬くうちに消え去って、彼女は一人雲に乗り、木曽川の上を飄々と黒蝶のように飛んで行く。
国枝史郎 蔦葛木曽棧 青空文庫
それは柔かい緑色の若葉の梢の中からいくつも、いくつも黒蝶のように雛鳥の黒いのがかえって舞いたつ。
宮本百合子 一九二七年春より 青空文庫
青い空の下を黒蝶が舞うのは貴族の令夫人の様な姿だ。
一九一四年(大正三年) 日記 青空文庫
紋白蝶なんかは黒蝶よりもあさっぽい気がする。
一九一四年(大正三年) 日記 青空文庫
やがて、何氣なく眼を上げると、眼の前にある十四吋砲の砲身に、黄いろい褄黒蝶が一つとまつてゐる。
芥川龍之介 軍艦金剛航海記 青空文庫
船員たちの一両日にわたる忍耐強い努力の結果、ついに満潮を見て自力で離礁することができたが、この悪戦苦闘の最中に、そこの海底が木曜島にも遥かにまさって白蝶貝、黒蝶貝の老貝の密集地帯であることを発見したのである。
その六 血を見る真珠 明治開化 安吾捕物 青空文庫
昇龍丸は無事故国に帰りついたが、帰国の途次、畑中は船員にはかって、「木曜島で坐礁して白蝶貝の採取を見学しての帰路に又坐礁して白蝶貝黒蝶貝の無数にしきつらねた海底を発見するとは、海神の導きと云うよりほかにないようなものではないか。
その六 血を見る真珠 明治開化 安吾捕物 青空文庫