鉦叩き
かねたたき
名詞
標準
文例 · 用例
其時なのです、フト鉦叩きがないてるのを聞き出したのは――。
— 尾崎放哉 『入庵雑記』 青空文庫
鉦叩きと云ふ虫の名は古くから知つて居ますが、其姿は実の処私は未だ見た事がないのです。
— 尾崎放哉 『入庵雑記』 青空文庫
此の鉦叩きといふ虫のことについては、かつて、小泉八雲氏が、なんかに書いて居られたやうに思ふのですが、只今チツトも記憶して居りません。
— 尾崎放哉 『入庵雑記』 青空文庫
其の私の好きな、虫のなかで一番好きな鉦叩きが、この庵の、この雑草のなかに居たのであります。
— 尾崎放哉 『入庵雑記』 青空文庫
夜になると私の床にひとしお床しく聞こえるのはこおろぎ、馬追い、鉦叩き、くさひばり、えんまこおろぎ、またその中を縫うように名も知らぬ虫の声が聞こえてくる。
— 宮城道雄 『耳の日記』 青空文庫
鉦叩きのやせ行者め」「いや、引ッこめません」「これでもかッ!
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
と――見る間に、くるわくるわ、どれもこれも一くせありげな道中人足、錆刀や息杖を持ちこんで、「なんだなんだ」「その野郎か」「生意気な鉦叩き虫め!
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
いつも、がちゃがちゃ賑やかな生活の物音の中で、よく働き、よく唄い、また或る晩には、村全体で、老いも若きも子供も、鉦叩き念仏を唱和して、念仏踊りを仲よく踊りぬいている奇妙な仲間なのだった。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫