馴染み客
なじみきゃく
名詞
標準
文例 · 用例
どんな馴染み客が来ても断わるほかはない。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
二 その次の夜にも、かの坂田という馴染み客が先立ちで、五人の侍が花菱に来た。
— 岡本綺堂 『鳥辺山心中』 青空文庫
「いやに格式ばるじゃないか」「馴染み客でないとあげないんだ」と弥十郎が友達に説明した、「その代り静かだよ」 あの座敷ではなく、べつの八帖にとおされた。
— 山本周五郎 『屏風はたたまれた』 青空文庫
一体その番頭というのはどんな奴だえ」 与七の説明によると、下総屋の番頭吉助はもう四十近い男で、酒は相当に飲むが至極おとなしい質の上に、金遣いも悪くないので、お駒も大事に勤めている馴染客であった。
— 張子の虎 『半七捕物帳』 青空文庫
吉助はお駒の馴染客であるので、無論にお定とも心安くしていた。
— 張子の虎 『半七捕物帳』 青空文庫
田宮夫人がこの温泉宿の長い馴染客であることは、私もかねて知っていた。
— 岡本綺堂 『鰻に呪われた男』 青空文庫
そして其奴等の口眞似をして一人で悦に入つてるんだ、淫賣婦が馴染客に情死を迫られて、迯げ出すところを後から斬り附けられた記事へ、個人意識の強い近代的女性の標本だと書いた時は、僕も思はず噴き出したね。
— 石川啄木 『我等の一團と彼』 青空文庫
この食堂の二階座敷の碁会所の常連や食堂の馴染客は、親爺に面と向つて死損ひだと言ふのであつた。
— 坂口安吾 『孤独閑談』 青空文庫