地理書
ちりしょ
名詞
標準
文例 · 用例
倫敦市場のみでもその地理書をひもとくまでもなく、一日数万の米国株式の売買があった。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
どの地理書を繙いても、奥州の地たるや本州の東北端に僻在し、衣、食、住、いづれも粗樸、とある。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
』沙魚の領海とは隨分奇妙な名稱だが、實際印度洋中マルダイブ群島から數千里南方に當つて、斯る塲所のあるといふ事は、甞て或地理書で讀んだ事があるが、今、吾等の目撃したのは確かにそれだ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
子供の時分から色刷り石版画や地理書のさし絵で見慣れていて、そして東洋の日本の片田舎に育った子供の自分が、好奇心にみちた憧憬の対象として、西洋というものを想像するときにいつも思い浮かべた幻像の一つであったあのヴェスヴィアスが、今その現実の姿をついそこにまのあたり現わしていた。
— 寺田寅彦 『旅日記から(明治四十二年)』 青空文庫
中学に行くようになってからは、小冊の地文学、地理書のようなものを数多く読み、また小説なども大いに読んだものである。
— 寺田寅彦 『わが中学時代の勉強法』 青空文庫
地理書をいくら読んでも少なくもこれら写真の与える実感は味わわれまい。
— 寺田寅彦 『ロプ・ノールその他』 青空文庫
自分は英語で地理書や幾何学を教えた。
— 夏目漱石 『永日小品』 青空文庫
その頃の西洋地理書から訳出したものらしいが、欧州の博識連へ聞き合したるも今に所拠が知れぬ。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫