早取り
はやどり
名詞
標準
文例 · 用例
」 このような想いが、瞬間、高速度の早取り写真のような速さで、はっと豹吉の頭に閃いた。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫
そういうふうに考えてみると、単に早取り写真のようなものならば技巧の長い習練によって仕上げられうるものかもしれないが、ある一人の生きた人間の表現としての肖像は結局できあがるという事はないものだとも思われた。
— 寺田寅彦 『自画像』 青空文庫
浅草公園での早取り写真で、それには実蔵の一人子息と和助とだけ、いたいけな二少年の姿が箱入りのガラス板の中に映っている。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
二 汽車に乗つてから、彼は最早取り返しのつかぬことをしたと思つた。
— 加能作次郎 『厄年』 青空文庫
かつて、十五の歳の新春、友達と妹と四人で、金三十錢で手札形三枚の早取り寫眞をうつしたことがある。
— 長谷川時雨 『私の顏』 青空文庫
忌わしければ棄てんとてこれを携えて道ちがえに持ち行き、そこに置きて一間ばかりも離れたりしが、ふと思い直し、惜しきものなり、売りて見せ物にせば金になるべきにとて立ち帰りたるに、早取り隠されて見えざりきという。
— 柳田国男 『遠野物語』 青空文庫