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沈湎

ちんめん
名詞
1
標準
文例 · 用例
そして、近頃はだいぶ技法にも自信を得て來たが、運に左右されてしまふ或る境地だけはどうにも仕方がなく、時にあまりに衰運に沈湎させられると、ちよつと麻雀にも嫌厭たるものを感じる。
南部修太郎 麻雀を語る 青空文庫
酒屋に沈湎すること、それが俺の命の全部であつた。
平出修 畜生道 青空文庫
東 律義者の子沢山西 綸言汗の如し 東は花柳に沈湎せざるもののおのづからにして真福多く天佑有るを云ひ、西は帝王の言の出でゝ反らざることを云へり。
幸田露伴 東西伊呂波短歌評釈 青空文庫
遊里に沈湎し酒に浸つて、そゞろ人生の果敢なさを思ひ、自らの芸術の糧とした傑れた小説があつた。
牧野信一 青空文庫
激烈な胃酸過多症に襲はれて、飲酒への沈湎を断念しなければならなかつたこともある。
牧野信一 熱い風 青空文庫
―― その夜も私は灯火を消して、框に掛けた鎧の中に凝つとこの身を閉ぢ込んで、怖ろしい無念無想に沈湎してゐた。
牧野信一 驚いた話 青空文庫
二三の花やかなる作品を発表した作家も意義はあるが、長年の間小暗き文学の森に沈湎して、人生にもてあそばれ、生活とたゝかひ、不断の文学的精進に没頭しながら、決して純粋なものを失はず、徐々と進歩してゐるといふべき側の作家が、思ひ浮ぶのであつた。
牧野信一 浪曼的時評 青空文庫
人の噂では兼家はこのごろまた新しい女に沈湎してゐるといふことであつたけれども、窕子に對しては、そんな形は少しも見せなかつた。
田山花袋 道綱の母 青空文庫