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玄翁

げんのう
名詞
1
標準
文例 · 用例
先刻も先刻、今も今、優しいこと、嬉しいこと、可愛いことを聞くにつけ、云おう云おうと胸を衝くのは、罪も報いも無いものを背後からだまし打に、岩か玄翁でその身体を打砕くような思いがして、俺は冷汗に血が交った。
泉鏡花 湯島の境内 青空文庫
腕をこまぬいて頭を垂れ、ぼんやり佇んでいようものなら、――一瞬間でも、懐疑と倦怠に身を任せようものなら、――たちまち玄翁で頭をぐゎんとやられて、周囲の殺気は一時に押し寄せ、笠井さんのからだは、みるみる蜂の巣になるだろう。
太宰治 八十八夜 青空文庫
底は粘土質の土が、石のやうに固くなつてゐるとの駒平の話で、鐵梃を玄翁で叩き込んでは掘りおこす音が、ウワーン、ウワーンといふやうに末廣がりに響いて、長く尾を引いて消えて行つた。
島木健作 生活の探求 青空文庫
それから玄翁をもつてそれらを碎き、井戸端に敷き詰め、そこにセメントを流し込んで、コンクリートの地盤を固めた。
島木健作 生活の探求 青空文庫
那須野の殺生石が玄翁和尚の一|喝によって砕かれたのは、それから百年の後であったと伝えられている。
岡本綺堂 玉藻の前 青空文庫
那須野の殺生石が玄翁和尚の一喝によって砕かれたのは、それから百年の後であったと伝えられている。
岡本綺堂 玉藻の前 青空文庫
玄翁で打っても潰れそうにない淵老人の頑固|面を凝視した。
夢野久作 名君忠之 青空文庫
恰も博物館などの陳列を見ると同じで、長次郎の茶わん「玄翁」でも仁清の眞壺でも高臺の引しまり、力、土味、斯うした大切なところを見ることが出來ないのは實に一種の「殘念物」である。
小野賢一郎 やきもの讀本 青空文庫