芬夫
芬夫
名詞
標準
文例 · 用例
一様に呉氏の生き甲斐のない姿を憐れみ、且つ芬夫人の身の上に同情して、手厚い世話をしながら日本に連れて行く事になったが、その途中のこと、船中が皆眠って、月が氷のように冴え返った真夜半に、呉青秀は海に落ちたか、天に昇ったか、二十八歳を一期として船の中から消え失せてしまった。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
そこで芬夫人はその由来をこの絵巻物に手記して子孫に伝えた……めでたしめでたしというわけだ」「じゃその名文は芬夫人が書いたんですね」「イヤ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
処々に韻を践んであったり、熟字の使い方や何かが日本人離れをしているところなぞを見ると、やっぱりその名付親の勃海使が芬夫人の譚に感激して、船中の徒然に文案を作ってやったのを、芬夫人が浄書したものではあるまいかと思う。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫