梅雨晴れ
つゆばれ
名詞
標準
sunny spell during rainy season
文例 · 用例
梅雨晴れのから風の強い日であって、番町へんいったいの木立ちの青葉が悩ましく揺れ騒いで白い葉裏をかえしていたのを覚えている。
— 寺田寅彦 『B教授の死』 青空文庫
幼い第二の国民に柩を送られる一戦死者の霊―― 砲煙のみなぎった野に最後の苦痛をあじわって冷たく横たわった一|兵卒の姿と、こうした梅雨晴れのあざやかな故郷の日光のもとに悲しく営まれる葬式のさまとがいっしょになって清三の眼の前を通った。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
丁度|梅雨晴れの頃で、ある百姓家の軒続きに、心臓形の青い葉が一面に蔓つてゐる畑を見て、「おや/\※菜がこんなに植わつてる……」と独語をいふと、そこに居合はした百姓が笑ひ/\、「坊ちやま、これあ※菜ぢやござりましねえ、坊ちやまの食べさつしやる甘藷でがさ。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
その後大学の教室に立つて、欧羅巴の近代文学を論ずるやうになつても、梅雨晴れの日光が硝子窓からちらちらするのを見ると、いつもその※菜の葉が幻のやうに想ひ出されると言つてゐた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
…… 晴れると暑い牛の乳房もたらり・やたらにてふちよがとんでくる梅雨晴れ・降りつづける水音が身のまはり・身のまはりは草だらけマイナスだらけ・いちにち風ふく風を聴きをり「製材所とシネマ」 新生の記 × ぐうたら手記薊には薊の花が咲く、薊には薊の花を咲かせておけ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
丁度私が行つたのは、梅雨晴れの晴れ切つた日で、海は紺青に輝き、岸では日和山の一部が墓原になつてゐる處に植ゑてある葵が、紅に今を盛りに咲き匂つて、何とも云へず明るく、輝かな、麗はしい印象を受けた。
— ――歌になるところ―― 『山陰の風景』 青空文庫
それがまた、梅雨晴れの空の下に起伏してゐる山々の鮮な緑と、眩ゆく日の光を反射してゐる水銀のやうな海面とを背景にして、美しいパノラミックな景色をつくつてゐる。
— 芥川龍之介 『軍艦金剛航海記』 青空文庫
かれの上、梅雨晴れの輝かしい街衢の高みを過ぎ行くものは、脂粉の顔、誇りかな香りを放つ髪、新鮮な麦藁帽子、気軽に光るネクタイピン……この魂にとつて、一日も眺めるのを欠くべからざる物らの世界である。
— 富永太郎 『俯瞰景』 青空文庫
作例 · 標準
梅雨晴れの日に、久しぶりに青空を見ることができた。
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梅雨晴れの一日、公園には多くの家族連れが訪れていた。
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梅雨晴れを狙って、たまっていた洗濯物を一気に片付けた。
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