簣
簣
名詞
標準
文例 · 用例
其九に曰く、須らく知るべし 九仭の山も、功 或は 一|簣に少くるを。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
「九仞の上に一簣を加える。
— 夏目漱石 『一夜』 青空文庫
その恐ろしさに比例して、九仞に失った命を一簣に取り留める嬉しさはまた特別であった。
— 夏目漱石 『思い出す事など』 青空文庫
沙を運ぶ者は、笊に容れて枴で担い、礁の破片を運ぶ者は、大きな簣に容れて二人で差し担って往くのであった。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫
総之丞は簣の一群をやりすごしておいて、意ありそうに権兵衛を見た。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫
そして、其の大きな男の後にも枴で差し担った簣が来ていたが、それにも人夫の一人が頭と一方の足端を衣片でぐるぐる巻きにして仰臥に寝かされていた。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫
簣の横にいた横肥のした人夫の一人がそれを見て権兵衛の前へ出た。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫
「虎馬は、手端を折りました」それから簣に寝かされている男へ眼をやって、「銀六は頭を破りました」 銀六と云われた簣の上の人夫は微に呻いていた。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫