御出で
おいで
名詞
標準
文例 · 用例
僕は民さん一寸御出でと無理に背戸へ引張って行って、二間梯子を二人で荷い出し、柿の木へ掛けたのを民子に抑えさせ、僕が登って柿を六個許りとる。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
こんな事を繰り返しているうちに眠りの神様は御出でになる。
— 寺田寅彦 『赤』 青空文庫
どうぞもうわたくしの所へ御出で下さいますな。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
こんどはいつ御出でかと例の幡多訛りで問う。
— 寺田寅彦 『高知がえり』 青空文庫
観行院様は非常に厳格で、非常に規則立った、非常に潔癖な、義務は必らず果すというような方でしたから、種善院様其他の墓参等は毫も御怠りなさること無く、また仏法を御信心でしたから、開帳などのある時は御出かけになり、柴又の帝釈あたりなどへも折々御出でになる。
— 幸田露伴 『少年時代』 青空文庫
よう御出でなすつた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
それでこの事がな、今だから御話しするようなものの、当時はぱっとすると両家の面目に関わると云うので、内々にして置いたから、割合に人が知らずにいる」「その美人の顔は覚えて御出でですか」と余に取ってはすこぶる重大な質問をかけて見た。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
立ち上がつて、袂から手帛を出して、鋏の刃を拭いてゐる所へ、門野が平岡さんが御出ですと報せて来たのである。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫