田舎出
いなかで
名詞
標準
文例 · 用例
)道楽者、いや、少し不良じみて、骨組頑丈、顔が大きく眉が太く、自身で裸になって角力をとり、その力の強さがまた自慢らしく、何でも勝ちゃいいんだとうそぶき、「不快に思った」の何のとオールマイティーの如く生意気な口をきいていると、田舎出の貧乏人は、とにかく一応は度胆をぬかれるであろう。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
彼がおならをするのと、田舎出の小者のおならをするのとは、全然意味がちがうらしいのである。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
これは貴方、田舎出来で、沢山甘くはござりませぬが、そのかわり、皮も餡子も、小米と小豆の生一本でござります。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
それは仙台の人たちだって、かなり東北訛りは強かったが、私の田舎の言葉ときたら、それどころでは無く、また、私も無理に東京言葉を使おうとしたら、使えないわけはないのだが、どうせ田舎出だという事を知られているのに、きざにいい言葉を使ってみせるのも、気恥かしいのである。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
健康そうな、しかし、きれいではない、田舎出の若者が、一人採用される。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
若い役者のなにがしと立てられた噂や、田舎出の若旦那を手玉にとつたと云ふ蔭口は、全く根も葉もない事ではないのであつた。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
田舎出の客を見ると、五銭で大阪名所を案内してやる……と、寄って行く。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
たとえば三毛が昔かたぎの若い母親で、玉が田舎出の書生だとすれば、ちびには都会の山の手の坊ちゃんのようなところがあった。
— 寺田寅彦 『子猫』 青空文庫