喚き声
わめきごえ
名詞
標準
文例 · 用例
また眠られぬ夜など、自分の耳にひそひそ入って来る声は、愚な迷信にたより、父の霊魂を引きとめようとして瀕死の父の枕元で喉も破れよと父の名を呼んだ、あのあさましい自分の喚き声である。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
」 賭場から喚き声が起った。
— SILVER BLAZE 『白銀の失踪』 青空文庫
私は、頭がくうんと痺れて来て、怖ろしい顔をしながらそこに立っている博士や若い医者達の喚き声を、夢|現の中の出来事のように、遠くの遠くの方に聞きながら、構成派の絵のように複雑してぐるぐると廻っている風景の中へばたりと卒倒して了った。
— 佐左木俊郎 『三稜鏡』 青空文庫
」 嵐のような喚き声が起って、若い医者達は、懸命に私を追いかけて来た。
— 佐左木俊郎 『三稜鏡』 青空文庫
」 Hの喚き声は、四隣に鳴り渡つた。
— 牧野信一 『余の倅に就いて』 青空文庫
喚き声が聞えて来る。
— 牧野信一 『ゼーロン』 青空文庫
角燈をつけた軽馬車が幾台も並んでおり、玄関前には二人の憲兵が立っていて、遠くの方では馭者の喚き声が聞こえている――つまり、何もかもが注文どおり備わっていた訳だ。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
』と威猛高に罵る先方の馭者の喚き声を聞いて、初めてハッと我れに返った。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫