右肺
みぎはい
名詞
標準
文例 · 用例
左肺が肺癆に罹つて大部分腐蝕してゐるのは誰れも認めてゐたが、一週間程前から右肺の中葉以上に突然起つた聽診的變調と、發熱と、腹膜肋膜の炎症とを綜合して考へて見ると粟粒結核の勃發に相違ないと堅く信じたのだ。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
この上は肝腎の右肺部を檢査しようかと思つたが、粟粒がどの位廣く結成されたかを確めるために頭蓋骨を開いて腦膜を調べて見たくてたまらなくなつた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
新聞社にいたころから時々自転車の上で弱い咳をしていたが、あれからもう半年、右肺尖カタル、左肺|浸潤と医者が即座にきめてしまったほど、体をこわしていたのだった。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
汽船の火夫をしていた頃から時々弱い咳をしていたが、あれからもう三月、右肺尖カタル肺浸潤、ラッセルありと医者が簡単に決めてしまったほど、体を悪くしてしまっていた。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
ピストルの弾が右肺を貫き、心臓をかすっていた。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
ですけれど、何より私には、算哲様が自殺なされるのに、右肺を突いたという意志が疑わしく思われるのです。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
醫者の方のテクニックでは何とか言つたつけ――それが松永の右肺に大分大きい奴があるんだとさ。
— 石川啄木 『我等の一團と彼』 青空文庫
「それでは僕はこれから大学へ行ってくるから、今言った方面を宜しく頼むよ」二 死体解剖の結果、致命傷は、背部の刺創で、右肺が深く傷つけられて居たために、内出血を起して死んだものとわかった。
— 小酒井不木 『呪われの家』 青空文庫