十方世界
じっぽうせかい
名詞
標準
worlds of the ten directions
文例 · 用例
「光明、十方世界を照らす」「光明、河砂のごとく遍し」「光明、日月を勝過す」等の言葉があります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
涅槃に入った仏陀について、「如来の滅後に於て、十方世界に周旋往返し(此方彼方を行き巡っ)て」と言っている。
— A WISH FULFILLED 『男子の本懐』 青空文庫
ああ法水様、申す迄もなく終局には、この真理中の真理が大焔光明と化して、十方世界に無遍の震動を起すに相違御座いませんけれども……、まずそれに先き立って、貴方様の卓越した推理法に依り、奇蹟を否定しようとする凡ゆる妄説を排除して頂きたく、御願いする次第で御座います――。
— 小栗虫太郎 『夢殿殺人事件』 青空文庫
そして、口で「、十方世界諸仏、世界一切の菩薩、智火に不祥を焼き、浄瑠璃の光を放ち、諸悪鬼神を摧滅して、一切の三悪趣苦悩を除き、六道四生、皆富貴延命を獲させ給え、得させ給え」 と、誦した。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
人々は、玄白斎が、夢でも見ていたのではないかと、感じた一刹那、さっと、玄白斎の顔に、赤みがさすと「南無諸天、十方世界、円光の内に坐して、光明魏々たり、願くは、分段同居正邪の闇を照らさせ給え」 何処からか、不思議の力の入って来る玄白斎の声であった。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
忠度も今はこれまでと観念したのか、「最後の十念を唱える故、そこを退け」 と、残った左手で、六弥太を投げとばすと、西の方に向かって高らかに、「光明遍照十方世界、念仏衆生摂取不捨」 と唱えも終らぬうち、六弥太の刀がとんで、首はころりと前に落ちた。
— 第九巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
「日本民族精神の本領は三種の神器にいみじくも表徴せられたように、清く明るき鏡の心より発する知恵の光を磨き、勇猛に正義の剣を振い、穆たる玉の如き徳を含んで、遂に神人合一、十方世界を全身とする努力になければならぬ」(『日本精神の研究』)。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫
(中略)念仏高く唱へて、光明遍照、十方世界、念仏衆生、摂取不捨と誦し給ひつゝ海にこそ入り給ひける』とあるのは、熊野で死ねば浄土に往かれると云う信仰が在ったためである。
— 中山太郎 『本朝変態葬礼史』 青空文庫
作例 · 標準
仏教の宇宙観では、十方世界には無数の仏国土が存在するとされる。
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彼は、十方世界のすべての衆生を救済するために修行を積んだ。
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曼荼羅は、十方世界を象徴的に表現している。
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