窺い寄る
うかがいよる
動詞
標準
文例 · 用例
眼に見えぬ糸に曳かるる様に、彼はふらふらと其の門口に窺い寄ると、奥には春めいた空気が漲って、男や女の笑い声が聞えた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
庭には雪を踏む跫音ががさがさと聞えて、雨戸の外へ何者か窺い寄るような気息を感じた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
その暗闇の中を、芝居の「だんまり」のように、徐々と窺い寄る奸策を、また、こっそりと構えた術策で身を替す世の中は、若しそれを事実とすれば、あまりに堪らなすぎるものではないか。
— 宮本百合子 『渋谷家の始祖』 青空文庫
私は何時のまにか英子の家の中心から遠ざかって、痩犬のように彼女のうちに窺い寄る自分の姿を見出した。
— 豊島与志雄 『運命のままに』 青空文庫
このかたい護衛の網を破って、うかがい寄る曲者があろうとはどうしても思えなかったからである。
— 海野十三 『浮かぶ飛行島』 青空文庫