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枯々

枯々
名詞
1
標準
文例 · 用例
新町の町はづれから、枯々な桑畠の間を通つて、思はず斯の郊外の一角へ出たのである。
島崎藤村 破戒 青空文庫
千曲川の水は黄緑の色に濁つて、声も無く流れて遠い海の方へ――其岸に蹲るやうな低い楊柳の枯々となつた光景――あゝ、依然として旧の通りな山河の眺望は、一層丑松の目を傷ましめた。
島崎藤村 破戒 青空文庫
それは牛の角の癢くなるといふ頃で、斯の枯々な山躑躅が黄や赤に咲乱れて居たことを思出した。
島崎藤村 破戒 青空文庫
枯々とした草土手のところで、丑松は蓮太郎と一緒に成つた。
島崎藤村 破戒 青空文庫
枯々な桑畠の間には、其車の音がから/\と響き渡つて、随いて行く犬の叫び声も何となく喜ばしさうに聞える。
島崎藤村 破戒 青空文庫
昨日一日の凩で、急に枯々な木立も目につき、梢も坊主になり、何となく野山の景色が寂しく冬らしくなつた。
島崎藤村 破戒 青空文庫
時としては其冬木の姿を影のやうに見て進み、時としては其枯々な枝の下を潜るやうにして通り抜けた。
島崎藤村 破戒 青空文庫
障子を開けて眺めると、例の銀杏の枯々な梢を経てゝ、雪に包まれた町々の光景が見渡される。
島崎藤村 破戒 青空文庫